相続税の問題は、納税で解決できます。
しかし、一度崩れた家族関係の解決は
困難な場合もあります。
そのため、 法律と感情の両方に配慮して
「こころ穏やかな相続を実現」するための「遺言書の作成」が重要なのです。
そして、忘れがちですが
より重要なことは、その遺言内容が
「速やかに、円満に、実行」されることです
遺言作成=完成(終了)ではありません。
遺言書の目的は、「作成」ではありません。
(書いて終わりではない)
真の目的は、「速やかに、円満に、財産の配分を完了」することです。
遺言作成は、そのための「手段」です。
目的ではありません。
ですから、遺言内容を「速やかに、円満に実現」し、初めて「完成」と いえるのです
① 遺留分を配慮しない。
② 遺言作成に当たり、充分な資料を収集しない。
③ 財産のことしか記載しない。
④ 親族を遺言執行者に指定する
(これらは一例です)
このような遺言書では、「速やかに、円満に、実行」するには不十分です。
遺言執行時のことを考えて (小さな工夫や細かな配慮)遺言書を作成することが、
非常に重要なのです。
遺留分とは、遺言書でも侵害できない、各相続人の最低相続分です。
通常、遺留分がまったくない、又は、大幅に下回っている場合、後日請求される可能性が極めて高いのが現実です。
その際、各財産の評価(不動産の評価、預金残高等)で紛争になりがちです。
遺言書に記載されていない財産は、遺言執行の対象とはならず、遺産分割協議が必要になります。
その際、遺言内容に不満がある相続人の合意を得るのに苦労しがちです。
通常、遺言を書く理由は、法定相続分を修正するためです。
すなわち、特定の相続人の相続分を増やすために、作成します。
財産のことしか書かれていなければ、他の相続人から、あらぬ誤解を招きがちです。
そして、遺言執行時に備えて、事前に、様々なことを、遺言書で指示しておくことが、速やかで、円満な相続に繋がります。
手書き遺言(自筆証書遺言の作成)は、ほとんどの場合
・ 「必要事項の未記載」
・ 「文章の解釈が幾通りも可能」
そして、
・ 「遺言作成の経緯(中立的な第3者が関与していないため信用性が低い)」をめぐり、紛争になりがちです。
また、①②③④⑤、特に③に配慮された、手書き遺言の作成(自筆証書遺言)は、極めて困難です。
大切に保管し、紛失しなくても、預かっている人が認知症になることもあります。
私の経験上、拝見した自筆・公正証書遺言で、
遺言執行者が指定されていることは皆無です。
仮に、遺言執行者が指定されていても、
そのほとんどが、最も財産を相続する
親族が指定されています。
この場合、相続分の少ない相続人が、
非協力的な態度・行動をとりがちです。
遺言があっても、身動きの取れない状態に陥る実例は、いくらでもあります。
① 遺言者と相続人の人間関係
② 相続人どうしの人間関係
③ 相続できる財産の多い少ない
④ 相続開始時点における(遺言作成時点ではなく)、それぞれの相続人の置かれている状況
このような理由により、遺言内容を遺言書に書かれているとおり、
「速やかに、円満に、実現」することが、「困難」になるのです。
ですから、「遺言執行者は、第三者を指定」することが、「重要」なのです。
100回以上相談会を行ってきた
私の実感です。
________________________________________
当事務所に、ご依頼いただければ、
① 遺留分の計算
② 必要な資料収集
③ 財産以外に考慮すべき文言の記載
④ 遺言執行
⑤ 公証役場との打ち合わせ等、すべて行います。